バリ道中四方山話
<バリ日常生活においての体験>
サソリに刺された!
チャンプアンでの出来事。
マンディーをする前、娘に「バリでもサソリ座が見えるかなぁ?」と聞かれた。その場は「見えるんじゃないかな」と適当に答えた。
マンディーを済ませてタオルで体を拭いていると急に胸のあたりに激痛が走った。良く見てみると「小さなサソリ」が胸のところにいるではないか。サソリ付きのタオルで体を拭いてしまったようだ。大声で助けを求め、集まった人に「やられた!」と言いながらサソリを示した。その中のひとりが「薬を作る!」と言いながら「サソリ」を持って行った。数分後、その「サソリ」と薬草を原料にした塗薬が出来上がり、刺された部分に塗った。1時間ほど痛さで動けなかった。じっとしていた。
後で娘に「サソリに刺されたよ」と言ったところ、「さっきタオルの所に居たよ。」という返事。だったら教えてくれればいいのにね。
サソリには現地の人もなかなか刺されないらしい。(樹)
バリアン(呪術師)の威力
クデワタンのベタンダ(高僧)の奥さんが急に歩くことが出来なくなった。
ベタンダは、その事で、バリアンに相談に行った。
バリアンは夢で奥さんの足に蛇がからみついているのを観た。
そして、ベタンダに聖水を椰子からでなく、チャンプアンの水から取るように助言した。
すると、奥さんは歩くことが出来るようになった。
それ以後、毎日、奥さんはチャンプアンでマンディーするようになった。
ベタンダがバリアンの所に行くなんて一見、変に思われるかもしれないが、よく考えると扱う対象が違うのだという事が解る。
例えると、ベタンダは生物学者で、バリアンは量子力学者なのかもしれない。
きっと、癌の治療では、ベタンダだったら免疫療法をするのに対して、バリアンならば、癌細胞そのものの原子を変換、再構成して正常細胞にしてしまうのだろう。(樹)
それ、いくら?
バリの人に値段を聞かれることが多い。
身につけているもの、例えば、
「その時計、いくら?」
「サングラスは?」
パサールから、みやげの布を買ってかえると、さっそく品定めのあと、「いくらで買った?」
私としては、バリ人からみて、それが高すぎるのか安く買えたのか知りたいところなのだが、
「そんなもんだな。」となんとなく笑ってはっきり教えてくれない。
「日本からバリまでの飛行機代にいくらかかるのか?」っていうのも、レストランで働いて
いる子なんかと、ちょっと親しくなると、たいてい聞かれることだけど、
0がいっぱい付くその値に驚きの声があがる。
ちょっと、戸惑ってしまうのは、世話になった友人に日本に帰る前に、お礼として髪飾りを
プレゼントした時にも「どこの店で買った?」「いくらだった?」と聞かれることだ。
プレゼントの値段を相手に教えるなんて、奥ゆかしい日本人の私としてはできない。
「まあいいじゃん。私の気持ちなんだから」と笑って言っても、バリの友人の目は真剣で
「ブラパ・イニ?」を繰り返す。とうとう根負けしてしまうはめになる。
値段を聞いた後の反応は、あっさりしたもので、ただ単に値を知りたかった。それだけ
みたいだ。 (楽)
バリ絵画について
バリ島の絵画には古いスタイルや新しいモノ、いろいろある。伝統的なスタイルでは
使う色や対象、細部の描き方等が決まっていて、例えば人物の「目の形」で男、女、悪霊
等の判断ができる。
それと対称に、ウブドゥ周辺にて外国人画家の影響のもとに発達したスタイル(ウブドゥ・
スタイル)は、日常生活を描いたり、人物画を描いたりと題材が自由である。その中でも樹木
に鳥を描いたものは、私の好きなスタイルである。(ペンゴセカン・スタイル)
古いスタイルの絵画は、その中に「物語」がある。色の使い方で、どのような神や状況を
表しているかも解る。一枚の絵の中の寓話を理解する作業は、バリ精神を理解する為の良い
教材となるであろう。
もちろん、現代作家の中にも伝統的な絵画を描く人もいるし、一見、現代風の作品のようだが、
よく見ると、その中に伝統的なシンボルを組み入れて、「物語」を構成している作家もいる。
ウブドゥ周辺には、”プリ・ルキサン美術館”や”ネカ美術館”の中に
いろいろなスタイルの絵画が展示されている。
もし機会があれば、中の係りの方に、「この絵は、どのような意味があるのですか?」
と質問してみて下さい。 (樹)
エス・チャンプルの話
日本の夏、一杯300円のみどりや赤、黄、ハワイアンブルーなんてシロップがかかった
だけの簡単な「かき氷」をみるたび、エス・チャンプルの屋台を出せば、とぶように売れる
んじゃないかと密かに思っているのは私だけだろうか。
バリのワルンで食べるエス・チャンプル(かき氷)は、フルーツ、いろいろなゼリーを
器に入れ、その上に氷をかき、まっピンクのシロップをたっぷりかけてある実だくさんの
かき氷なのだ。
エス・チャンプルの中には、たいていドリアンが入っていて、氷を食べつつ時々そのねっとり
した口あたりを楽しむのはタマラナイ。
たいてい、どの店でも様式は同じだけど、味は微妙に違う。今まででデンパサールの街角で
食べたのが一番だった。
とても変だったのは、ウブドゥのパサールの中で食べた時ので、なんと下にまるまる一個の
パンが入っていた。氷の中でブヨブヨになったパンは、どう味わっても奇妙な気分にさせて
くれた。再びその店に行った時、パンは入っていなかった。
オバちゃん、その日の気分でエス・チャンプルの中身をかえているのか。 (楽)
今後の公開予定タイトル
- 新築の古い家
- 夜の犬集団
- クバヤの流行
- 「スダ・マンディ?」と聞かれたら
- 子供(女の子)のおしゃれ
- お手手つないで
- 噂は疾風の如く
- 赤ちゃん大好き
- ワラワラ
- みじめな気持ち
- 金の指輪
- 悪徳ガイド
- 土の中から金が出た!
- 天井からおしっこ
- ベタンダへのお土産
- ノントンTV
- 律儀なガイド
- 金をせびる先生
- 天皇陛下に手紙を出したい
- 「君が代」大好き
- 日本の兵隊
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